第42章

葵は早足でオフィスを出た。廊下の突き当たりにあるラボのドアは開いており、三台のモニターが青いバックライトを放っている。彼女はメイン端末の前に座り、キーボードを叩いて立て続けにいくつかのコマンドを入力した。

呼び出された生データファイルの数値が、画面をびっしりと埋め尽くす。

彼女はサマリーデータには目もくれず、最下層のパケット単位の解析ログへ直接スクロールした。

各パケットの送信時刻、受信時刻、パケットロスフラグ、エラー訂正処理の所要時間、再送回数。膨大なデータ量により、画面上の数字が飛ぶような速さで流れていく。

葵の指がトラックパッドを滑り、注視すべき区間にピタリと狙いを定めた。

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